2010年09月10日 (金) | 編集 |


犯人(声)「爆破予告の手紙は、届いたか?」
ラスカル警部「今見ていたところだミャ~。」
犯人(声)「爆破は今日だ!2時間を切ったな。」
ラスカル警部「目的は何だミャ~?」
犯人(声)「目的?そんなモンないさ。ドカ~ンとなるのが見たいだけだ。」
ラスカル警部「どうして私を指名したミャ~?」
犯人(声)「あんたはすご腕警部さんだからさ。今年の2月のヴェルニー公園殺人事件、そして7月には札幌で起きた殺人事件を、スピード解決している。あんたと対決がしたいんだ俺は!」

“ラスカル警部殿 東京のある所に爆弾を仕かけた。9月10日午前10時に爆発する。ヒントをやるからさがし出してみろ!!”

ラスカル警部「あと2時間を切りましたミャ~!捜査員を大量に動員して、人の集まる所から捜すように、指示してくださいミャ~!」
刑事部長(声)「わかった!君はそこから場所を特定してくれ!頼むぞ!!」
ラスカル警部「KK16→D23、いったい何なんだミャ~?」

ラスカル警部「KK16は、銀座コージーコーナーの小犬と小猫の、16枚入りのサブレーだミャ~。銀座に爆弾を仕掛けたミャ~?でもD23と、どう関係するのかわからないミャ~・・・。D23は、ディズニーのファンクラブだミャ~。浦安は千葉県だミャ~・・・。」
× × × ×
ラスカル警部「人が集まる所といえば、駅、庁舎、オフィス街、病院、デパート、空港などだミャ~。空港・・・ミャ~・・・。そういえば来月羽田に、国際線ターミナル駅が完成して、新しく4本目のD滑走路が、出来ると聞いたミャ~。」

ラスカル警部「羽田空港の新しい滑走路はD、方向は23だミャ~!」

ラスカル警部「時間がないミャ~!とにかく羽田に行ってみるミャ~!」
× × × ×
刑事部長(声)「よしわかった!全捜査員を羽田に向かわせる!」

ラスカル警部「国際線ターミナル駅の、駅番号はKK16だミャ~!爆弾は空港のどこかだミャ~!!」

捜査員A(声)「空港警察署からの連絡で、第1と第2ターミナルには、ありませんでした!」
ラスカル警部「新ターミナルだミャ~!」
捜査員B(声)「警部が到着する15分前から、国際線のターミナルも捜索を開始しています!」

声「あったぞ~~!!!処理班、こっちだ!急いでくれ!」
ラスカル警部「どこだミャ~?」
捜査員C(声)「ターミナルビル到着ロビーの、案内カウンターだそうです。」
ラスカル警部「ギリギリだったミャ~・・・。」
捜査員C(声)「警部がKK16とD23の謎を、解いてくれたおかげですよ!」
× × × ×
捜査員C(声)「警部、爆発物の処理が、無事に終わったそうです。」
ラスカル警部「あとはホシを捕まえるだけだミャ~!さっきホシと喋っていた時、日本航空の出発便のアナウンスが聞こえたミャ~。もしかしたら第1ターミナルに居る可能性が高いミャ~!第1ターミナルとこの国際線ターミナルは近いから、展望デッキから爆発の瞬間を見ようとしていたかもしれないミャ~!急ぐんだミャ~!!」




2010年07月05日 (月) | 編集 |



ラスカル警部「ではこれから物的証拠を、お見せするミャ~。」
真凧林(声)「また人を、罠にはめようって言うんじゃないんだろうな?」
ラスカル警部「函館の知り合いの、藤塚さんについて調べてみたんだミャ~。」

ラスカル警部(声)「藤塚さんは現在函館の大町製作所で、鍵職人として働いているミャ~。そして散弾銃の所持許可証も持っているミャ~。」
真凧林(声)「だから彼と共謀したとでも、言いたいんですか刑事さん?」

佐藤刑事(声)「あなたはニセアカシアという花を、ご存知ですか?」
真凧林(声)「ああ知ってるが、それがどうした??」
佐藤刑事(声)「豊平川で発見された車の後部座席の下から、ラスカル警部が花びらを見つけたんです。おそらく窓から自然に車内に入ったのでしょう。」

佐藤刑事「その花びらは、中島公園の現場付近のものと同一でした。」
真凧林(声)「その花びらに、私の指紋がついていたとでも言うつもりか?」
ラスカル警部(声)「違うミャ~。車内の後部座席から小林社長を射殺して、運転席に戻る途中慌てていたあなたは、外でニセアカシアの木にぶつかり枝を無意識につかんだんだミャ~。」
真凧林(声)「・・・・・・。」
ラスカル警部(声)「ニセアカシアの枝にはトゲがあって、あなたは手から出血したはずだミャ~。ハンドルから微量の血痕があったミャ~。おそらく手袋からハンドルについたと思われるミャ~。」
佐藤刑事「血痕を調べた結果その血液型は、1000人に一人と言われているRH-B型で、あなたと同じだったんです。」
真凧林(声)「私の血液型を、どうして知っているんだ?」
ラスカル警部(声)「あなたは北海道在住の時に、赤十字血液センターに登録しているミャ~。」

ラスカル警部「はい、そうだミャ~。・・・はい、はい・・・本当かミャ~?」
佐藤刑事(声)「警部どうしたんですか?」
ラスカル警部「豊平中央署からの連絡だミャ~。捜索の結果、数時間前に豊平川から散弾銃が見つかって、銃身とフォアグリップの間のすき間に微量の血痕があって、調べたらRH-B型だったそうだミャ~!真凧林、いい加減白状したらどうだミャ~!!」

真凧林「私が小林社長を殺しました。業績不振だった頃、私には再婚の話があったんです。その女性には病弱の父親がいたので、私は同居することを決めていました。ところが入籍直前になって、横浜支店に飛ばされたんです。私は社長に一年間チャンスが欲しいと頼みましたが、受け入れてもらえず・・・単身横浜に来たんです。婚約は破棄せざるを得ませんでした。」
ラスカル警部「どうして2年経った今になって、殺したんだミャ~?」
真凧林「数ヶ月前に業界誌で、小林社長が大きく取り上げられていたんです。今年の上半期終了と共に社長を退いて、海外で生活をすると書いてあったんです。4年前に自殺した息子さんについても触れていました。祥月命日の亡くなった時間には、必ず中島公園に行くと書かれていました。殺すなら今年しかない、そう思ったんです・・・。」
ラスカル警部「藤塚は共犯で、車と散弾銃は藤塚が用意したミャ~?」
真凧林「はい。ANA4781便には乗ってません。私が購入した座席に乗っていたのは、背格好が似ていて眼鏡をかけた、身元も知らない金で雇った別人です。私は犯行前日に札幌に行き、藤塚と合流しました。車をディスカウントショップから盗んだのも藤塚です。散弾銃も彼のものです。小林社長の殺害は、藤塚がいなければ絶対に出来ませんでした。」

ラスカル警部(声)「どうしてだミャ~?藤塚を共犯にしなくても、方法は他にもあったはずだミャ~。」
真凧林(声)「刑事さん・・・私が再婚するはずだった相手は、藤塚の母親なんです。」
ラスカル警部「!!」
佐藤刑事(声)「それで藤塚は、協力をしてくれたんですね。」
真凧林(声)「私の再婚を一番喜んでくれた、若い藤塚を巻き込みたくはなかった。しかし小林社長のせいで、人生が変わってしまった・・・あいつは私に常にそう言っていたんです・・・(号泣)。」
ラスカル警部(声)「それでも人を殺してもいいという、理由にはならないんだミャ~・・・。」
■ゲスト:マダコリンさん、助監督ゆうらいさん、大翔のパパさん
■ロケ地:中島公園(札幌市)他
完




2010年07月04日 (日) | 編集 |


●警視庁・特命係(翌日)

ラスカル警部「証拠をみつけてやるミャ~。」
●同(数日後・午後)

刑事A(声)「警部、殺された小林社長について調べてみたら、意外なことがわかりました。」
ラスカル警部「意外なことミャ~?」
刑事A(声)「はい。小林社長には息子がいたんですが、肺がんに侵されていたそうで、4年前に自殺しています。」
刑事B(声)「自殺した場所が、中島公園なんです。」
ラスカル警部「本当ミャ~?」
刑事A(声)「散弾銃の方は、どうですか警部?」
ラスカル警部「面白いことがわかったミャ~。」
●同(夜)

ラスカル警部「・・・・・・・・・。これに賭けてみるミャ~・・・。」

ラスカル警部「特命係のラスカル警部だミャ~。先日はお世話になりましたミャ~。実はあなたにお願いしたいことがあるんだミャ~・・・。」
●横浜(数日後)

ラスカル警部(声)「真凧林さん、何度もすいませんミャ~。」
真凧林「あなたもしつこいですな。」
ラスカル警部(声)「今日はあなたのアリバイを裏付ける、有利な情報があるんだミャ~。」
真凧林「ほう、それはそれは。一緒にいらしたこの方が、私のアリバイを証明してくれるんですか?」
ラスカル警部(声)「どうですミャ~?」
男「いや~似てるような気はしますけど、断言は出来ないです。」

真凧林「なんだ頼りないな。これでどうやって私のアリバイを証明するんですか?」
ラスカル警部「・・・・・・。」
男「あっ!思い出しました。この人です!この人ですよ!」
真凧林「いきなり何なんです?」
男「機内でもそうやって、何度も眼鏡を拭いていたのを覚えています。」
真凧林「えっ!?機内?あなたはいったい誰なんですか?」
ラスカル警部「真凧林さん、あなたが乗ったANA4781便で、隣の座席13Cに座っていた方ですミャ~!搭乗者名簿を調べて、わざわざ来てもらったんだミャ~。」
真凧林「本当ですか?・・・でもそれを思い出してくれて良かった。」
ラスカル警部「初めて会った時も、あなたは眼鏡を拭いたミャ~。」
真凧林「何度も眼鏡を拭くのは、私の癖なんでね。」
ラスカル警部「あなたはこの人を、覚えているミャ~?」
真凧林「う~ん・・・機内でチラッと見た時に、俳優の渡辺徹に似てるなぁと思いましたが、言われてみればこの方だ。」
ラスカル警部「真凧林さん、間違いないミャ~?」
真凧林「間違いない。」

男(声)「私は北海道警察の佐藤です。失礼しました。」
真凧林「なんだと!!私はANA4781便に乗ったんだ。いい加減にしろ!」
ラスカル警部「どんな飛行機だったミャ~?」
真凧林「刑事さん!ANA全日空と言ったら、白と青の飛行機でしょ。何を言ってるんだ!」
ラスカル警部「真凧林さん!ANA4781便は、エアドゥ81便との共同運航便で、機材と乗務員はエアドゥなんだミャ~!エアドゥの機材は色がまったく違うんだミャ~!!」
真凧林「・・・・・・。だ、だからと言って、私が人を殺したことになるのか!汚い手を使った上に、状況証拠だけで犯人にされてたまるか!」
■ゲスト:マダコリンさん、助監督ゆうらいさん
明日につづく




2010年07月03日 (土) | 編集 |


●豊平川(翌朝)

ラスカル警部「車から何か手掛かりが、欲しいミャ~!」

佐藤刑事(声)「発見されたままの状態で、誰も手を触れていません。鑑識班はまもなく到着します。」
ラスカル警部「どうしてこの車が、犯行に使われたと思うんだミャ~?」
佐藤刑事(声)「現場の向かいにあるパークホテルに泊まっていた客が、事件当日現場近くから猛スピードで逃走した車を目撃していたんです。」

ラスカル警部「佐藤刑事、この車の持ち主は誰だミャ~?」
佐藤刑事(声)「3日前にここから数キロ程先にある、中央区のディスカウントショップで盗まれた盗難車です。」
ラスカル警部「・・・・・・。」
●東京・警視庁特命係(翌日)

刑事A(声)「ラスカル警部、こちらで行った捜査の報告をします。」
ラスカル警部(声)「頼むミャ~。」
刑事A(声)「真凧林の知人である藤塚の証言通り、函館空港の売店の店員が、8時20分頃に二人を見ています。真凧林が送った宅配便の控えもあるそうです。」
刑事B(声)「それから犯行に使われたライフルは、狩猟や競技射撃で使われる散弾銃だったそうです。警部が戻る数時間前に、豊平中央署から連絡がありました。」
ラスカル警部(声)「真凧林が事件当日の8時過ぎに、函館に居たことは間違いないミャ~。しかし何か気にいらないミャ~!」
刑事B(声)「私は真凧林はシロだと思います。機内に散弾銃は持ち込めませんし、短時間で現地で調達するのは厳しいし、足がつき易い。それに車だって、そう簡単に盗めるでしょうか?」
ラスカル警部(声)「共犯者がいて、計画的な犯行だったらどうだミャ~?」
刑事A・B(声)「えっ、共犯者?」

刑事A(声)「しかし警部・・・たとえ共犯者がいたと仮定しても、事件のあった札幌の中島公園から、300キロ以上も離れている函館まで、2時間強で移動出来るでしょうか?」
刑事B(声)「一番気になることは、小林社長が中島公園にいることを何故、真凧林は知っていたのかです。」
ラスカル警部「真凧林の事件前日の行動は、どうなんだミャ~?」
刑事A(声)「はい。事件前日つまり21日月曜日は、勤務先を18時に退社しています。事務員に確認しました。真凧林はそのまま自宅に戻り、翌日に備えて早めに休んだそうです。それを証明する人間はいませんが・・・。」

ラスカル警部「これなら札幌から函館まで、簡単に移動できるミャ~!」

ラスカル警部(声)「札幌市内にある丘珠空港から、7時35分発ANA4811便函館行きなら、8時15分に着くミャ~。真凧林が絶対に犯人だミャ~!」
■ゲスト:マダコリンさん、大翔のパパさん
明日につづく




2010年07月02日 (金) | 編集 |


●中島公園~札幌市

ラスカル警部「ここが事件のあった、中島公園かミャ~。思ったよりも人通りが少ないミャ~。現場の周辺を調べてから、聞き込みをしてみるミャ~。」
●現場周辺

ラスカル警部「公園の周りにはホテルが多いから、真凧林が泊まった可能性があるミャ~。」
× × ×
ホテルマン(声)「この方はお泊りになっておりませんね。」
× × ×
通行人A(声)「こんな人は、見なかったさあ。」

ラスカル警部「22日の朝6時頃、この男を見なかったミャ~?」
通行人B(声)「見なかったですね。」
●ラスカル警部が滞在するホテル(数時間後)

ラスカル警部「警視庁特命係のラスカル警部だミャ~。真凧林さんと函館空港で待ち合わせをした藤塚さんミャ~?」
藤塚(声)「はい藤塚です。」
ラスカル警部「お聞きしたいことがあるミャ~。22日朝、函館空港で真凧林さんと本当に会ったミャ~?」
藤塚(声)「はい。数年ぶりに会おうということになりまして、僕が函館空港まで迎えに行ったんです。真凧林さんは函館のスポットを細かく廻りたいというので、五稜郭や立待岬それに函館山や、ちょっと足を延ばして駒ケ岳や大沼に行きました。」
ラスカル警部「空港で会ったのは、何時頃だミャ~?」
藤塚(声)「8時に着く便だと言ってましたから、会ったのは8時過ぎですよ。15分か20分位だったと思います。刑事さんは、真凧林さんを疑っているようですが、空港ロビーの売店で聞いてもらえばわかりますよ。到着早々、お土産をたくさん買って送っていましたから。」

ラスカル警部(声)「函館空港に真凧林はいたミャ~・・・。」
●同(夜)

電話(声)「北海道警の佐藤警部補です。ちょっと前に豊平中央署から連絡がありまして、犯行に使われたと思われるグレーの車が、豊平川の近くで発見されました。」
ラスカル警部「本当ミャ~?明日そこに行くミャ~!」
電話(声)「了解しました。」

ラスカル警部「真凧林といい藤塚といい、証言が完璧すぎるのが気に入らないミャ~・・・。最初から疑われることがわかっていたから、完璧に準備をしていたみたいだミャ~。真凧林が怪しいミャ~・・・。」
■ゲスト:マダコリンさん、大翔のパパさん
■ロケ地:中島公園(札幌市)他
明日につづく




2010年07月01日 (木) | 編集 |



---6月22日火曜日・午前6時過ぎ、札幌市豊平区の中島公園で、コバエステート㈱代表取締役の小林社長55才が、何者かにライフルで射殺された。捜査を開始した所轄の豊平中央署は、小林社長に恨みをもつ元従業員の真凧林(マダコリン)を、重要参考人として事情聴取をしたが・・・。
●警視庁特命係(翌日)

ラスカル警部「はい特命係だミャ~。・・・あ、警視正お久しぶりですミャ~。」
警視正(声)「ラスカル警部元気そうだな。・・・ところで昨日札幌で起きた射殺事件のことは、君も知っていると思うんだが、また君の力を貸してくれんかね?」
ラスカル警部「警視正、札幌なら道警だミャ~。」
警視正(声)「そんなことは充分承知しているが、重要参考人の真凧林という男の住まいが横浜なんだ。神奈川県警に依頼はしたが、みなとみらいで発生した連続深夜通り魔事件の捜査で、数人しか応援に出せないと言うんだ。道警が横浜にしゃしゃり出るよりは、君に頼みたいんだ。」
ラスカル警部「了解ですミャ~。」
警視正(声)「そうかやってくれるか・・・。さっそく資料を送らせる。頼んだよラスカル君。」

ラスカル警部「早朝の犯行、不審な車の目撃情報だけだミャ~・・・。明日真凧林に会ってみるミャ~。」
●横浜市・某所(翌日)

真凧林「また事情聴取ですか?前にも話しましたけど、私は小林社長を確かに恨んでいました。業績不振を理由に、一方的に札幌から地方に飛ばされたんですから!でもこんな時代ですから、リストラなんかどこの企業もやっているじゃないですか。人を殺して自分の人生を棒に振るなんて、私には出来ませんよ。」
ラスカル警部「こちらに飛ばされたのは、いつですミャ~?」
真凧林「ちょうど2年前ですよ。・・・付きまとわれるのは迷惑だから言っておきますが、私にはちゃんとアリバイもありますから!」
●特命係(夕方)

ラスカル警部(声)「事件があった日は、6時40分羽田発函館行きの便に乗っていたミャ~・・・。事件は6時過ぎだから、これが事実ならアリバイは成立だミャ~。」
刑事A(声)「警部!確認を取りました。真凧林の証言通り、函館行きANA4781便の搭乗者名簿に名前がありました。」
ラスカル警部(声)「その便に乗ったのは、別人だとも考えられるミャ~。」
刑事B(声)「しかし羽田のオペレーションセンターで、その便の乗務をした客室乗務員に、真凧林の写真を見せたところ、似ていると言っていました。」
ラスカル警部(声)「・・・。明日札幌に行ってみるミャ~!」
●新千歳空港(翌日)

アナウンス「当機は只今新千歳空港に着陸しました。」
■ゲスト:マダコリンさん、コバさん
■ロケ地:中島公園(札幌市)、新千歳空港 他
明日につづく




2010年02月26日 (金) | 編集 |


2月22日 朝

ラスカル警部「小野田秘書を、逮捕するミャ~!」
国会議事堂

巡査(声)「警部、到着しました。」
ラスカル警部「・・・・・・。」
●○● ●○● ●○●
ラスカル警部(声)「警視庁のラスカル警部だミャ~。」
小野田(声)「九十九里志の秘書、小野田です。」
ラスカル警部(声)「あなたのアリバイが、崩れたミャ~。」
小野田(声)「警察はまだ、私を疑っているのですか?」
ラスカル警部(声)「九十九代議士夫人と不倫関係にあるあなたは、その証拠を握っていたシムサンウにゆすられていたミャ~。2月17日の朝、横須賀駅近くのベルニー公園に呼び出していたシムサンウを殺害したんだミャ~。」
小野田(声)「ですから事情聴取の時に、私は九十九先生と横須賀線に乗っていて、品川駅から乗ってきた別の秘書と合流し、東京駅まで行ったと話しました。」
ラスカル警部(声)「それは間違いなく事実なんだミャ~。」
小野田(声)「では何故私を疑うのですか?」
ラスカル警部(声)「あなたはそれでも、シムサンウを殺すのが可能だと言っているんだミャ~。」


ラスカル警部(声)「横浜駅だミャ~。汐入駅から京浜急行に乗るんだミャ~。」
小野田(声)「どういう事ですか?あなたの推測では、横須賀駅で降りた私がベルニー公園で殺害して、汐入駅から京急線に乗って、横浜まで行ったということですか?」
ラスカル警部(声)「そうだミャ~。」
小野田(声)「途中下車した私が、時間的にそんなことが可能だと思うのか?」

ラスカル警部(声)「可能だミャ~。横浜駅からなら、横須賀線に戻れると言ってんだミャ~!」
小野田(声)「一体どうやって、そんなことが出来るんだ?」

ラスカル警部(声)「あなたと九十九代議士の人間関係は、他の議員が羨ましがるほど強固なものだったミャ~。ところが夫人との関係を、シムサンウに握られてゆすられていたミャ~。殺害を計画したあなたは、九十九代議士を利用することを考え、ごく自然な形でアリバイ工作をしたんだミャ~。」
小野田(声)「警部さん、私はどうやって殺害が可能かと聞いているんです!」
ラスカル警部(声)「横浜で再び横須賀線に戻った時、品川の手前で九十九代議士が目覚めた時、品川で第二秘書が乗ってきた時、無事に品川に着いた時、あなたは安心したはずだミャ~。すべてが計算通りだったからだミャ~。」
小野田(声)「いい加減にしてください!あなたの推理に付き合っているほど、私は暇じゃないんです。」
ラスカル警部(声)「横須賀市を走るのは、JRと京浜急行だミャ~。殺害現場から汐入駅は、目と鼻の先、走れば下り電車に乗れるミャ~。」
小野田(声)「下り電車に乗ってどうするんですか?横浜は上りですよ。」

ラスカル警部(声)「横須賀中央駅だミャ~!あなたは汐入駅から9時8分発の下り普通電車に乗って横須賀中央駅に行ったんだミャ~!そこで9時13分発の上りの快特に乗り換えれば、横浜駅には9時39分に着くんだミャ~!」

ラスカル警部(声)「京浜急行線の快特が、横浜に着くのが9時39分で、横須賀線の横浜発が9時40分だミャ~。あなたはこの1分に賭けたんだミャ~!何がなんでも横浜で乗り換えなければ、久里浜から横須賀まで乗ってきた電車には、戻れないからだミャ~。」

小野田「・・・・・・。」
ラスカル警部「久里浜で栄養ドリンクに睡眠薬を入れて、九十九代議士を眠らせたミャ~?」
小野田「はい・・・。先生が毎日飲んでいるドリンクですから、睡眠薬を入れても疑わずに飲んでくれました。私は毎日電車通勤をしているので、いつもと同じ電車に乗る私を見送った妻も、私と一緒にいた先生も、疑う筈がない。私の行動はすべて、自然だったんです。毎日毎日私をゆすっていたシムサンウを殺すには、この流れを利用するしかないと思ったのです。」
ラスカル警部「あなたの知らない事が一つあるミャ~。九十九代議士は、あなたの不貞を知っていたんだミャ~。」
小野田「なんですって!?」
ラスカル警部「日本柔軟党に奇抜な政治施策を持ち込んで、国民の人気もあり支持率も高い九十九代議士は、今の自分があるのは小野田秘書のおかげだと言っていたミャ~。妻との関係に目をつぶっても、あなたとの関係を重視していたんだミャ~。自分の為、国民の為、そしてあなたの為にだミャ~。」
小野田「先生・・・申し訳ありません・・・。」
ラスカル警部「・・・・・・。」

九十九「・・・・・・。」
完
■ゲスト:部長先生、ハマッ子さん、シムさん
■ロケ地:ベルニー公園、JR久里浜駅、JR横須賀駅、JR横浜駅、JR品川駅、JR東京駅、京急汐入駅、京急横浜駅、国会議事堂


2010年02月25日 (木) | 編集 |


2月19日 特命係室

ラスカル警部「横須賀駅周辺で、何か見落としていることが、あるはずだミャ~。」

ラスカル警部「これが気になるミャ~。確かめたいから、現場にもう一度行ってみるミャ~。」
横須賀 ベルニー公園

ラスカル警部「ここからなら、間に合うかもしれないミャ~。」
京浜急行線 汐入駅

ラスカル警部「ベルニー公園でシムサンウを殺して、走れば数分でこの駅に着くんだミャ~!」
特命係室(数時間後)

警視正(声)「ラスカル君、捜査は進んでいるのかね?」
ラスカル警部(声)「現場はJR横須賀駅の目の前ですが、数百メートル先には京浜急行の汐入駅があるミャ~。小野田は京浜急行を利用したとしか、考えられなかったミャ~・・・。」
警視正(声)「違ったのかね?」

ラスカル警部(声)「9時1分に殺害して、時間的に汐入駅から乗れる上り電車は、9時17分だったミャ~。それに乗ったとしたら、横浜駅に着くのは9時48分で、7分前に横須賀線は着いているんだミャ~。」
警視正(声)「横浜より先で乗り換えるというのは、どうなんだね?」
ラスカル警部(声)「横浜から先の駅で、京浜急行と横須賀線が合流する駅は、品川だけだミャ~。九十九代議士が品川の手前で目を覚ました時、小野田は横須賀線に乗っていたミャ~。つまり乗り換えるのは、横浜駅しか考えられないミャ~!」
警視正(声)「電車以外には考えられんのか、ラスカル警部?」
ラスカル警部(声)「横須賀駅から横浜駅までの距離は約30キロだから、高速道路を使っても車で9時40分までに横浜駅に着くのは不可能だミャ~。」

ラスカル警部「わずか30キロの距離だミャ~、何かあるはずなんだミャ~・・・。」

ラスカル警部「わかったミャ~!これで小野田のアリバイが崩れたミャ~!」



※読みやすくする為、ラスカル警部のセリフを漢字にしています。


2010年02月24日 (水) | 編集 |


2月17日 警視庁特命係室

警視正(声)「昨日、横須賀のベルニー公園で起きた殺人事件の事は、知っているかね?」
ラスカル警部「知ってるミャ~。」
警視正(声)「君に電話をしたのは他でもない、その捜査を君にやってもらうためだ。」
ラスカル警部「なぜ僕ミャ~?所轄は横須賀中央署だミャ~。」
警視正(声)「そうなんだが、所轄は数ヶ月前から多発している強盗殺人事件を、県警と合同で捜査している。ラスカル君やってくれるな?」
ラスカル警部「わかりましたミャ~。」

警視正(声)「殺された雑誌記者のシムサンウは、九十九代議士の秘書・小野田をゆすっていた。小野田は九十九代議士夫人と浮気をしていた。それが発覚するのを恐れた小野田が、ガイ者を呼び出して殺したという線が濃厚なんだが、小野田にはアリバイがあり、九十九代議士と関係者の証言もある。」

ラスカル警部(声)「小野田のアリバイが知りたいミャ~!」
警視正(声)「事件前夜、九十九代議士は小野田の家に泊まったらしく、事件当日は最寄り駅の久里浜から、二人で8時46分発の電車に乗って東京駅に向かったそうだ。ホームまで見送った小野田夫人が証言している。」
ラスカル警部(声)「小野田は九十九代議士と、横須賀線のグリーン車に乗ったのは間違いないミャ~・・・。犯行時刻の9時過ぎには、車内にいたというわけミャ~?」
警視正(声)「疲れがたまっている九十九を気遣って、グリーン車に乗ったらしい。毎日飲用してる栄養ドリンクを渡し、第二秘書が乗ってくる品川の近くで起こすよう小野田に言って、栄養ドリンクを飲んだ九十九は、すぐに眠ってしまったそうだ。」


ラスカル警部「九十九代議士のことをすべて知り尽くした、小野田の計画的な犯行のような気がするミャ~・・・。明日久里浜駅から横須賀線に乗って、現場に行ってみるミャ~。」
2月18日 JR久里浜駅

ラスカル警部「8時46分発の、この電車に乗ったんだミャ~。東京駅には10時11分到着だミャ~。」

ラスカル警部(声)「毎日飲んでる栄養ドリンクかミャ~・・・。犯行現場は久里浜の二つ先の横須賀駅の近くだミャ~。怪しいミャ~・・・。」
横須賀・ベルニー公園

ラスカル警部「ここは人も車も少ないミャ~。仮に小野田がここでシムサンウを殺したとしても、一度降りた電車に再び乗れる可能性は低いミャ~。タクシーを使えば、顔を覚えられるし・・・一体どうやって横須賀線に戻ったんだミャ~?」



※読みやすくする為、ラスカル警部のセリフを漢字にしています。


2010年02月23日 (火) | 編集 |




2月17日 午前9時01分 横須賀・ベルニー公園

雑誌記者のシムサンウ(31)が刺殺された。同僚の話によると、代議士・九十九里志の秘書である、小野田の不貞疑惑を追い、ついにその証拠をつかんだらしい。重要参考人として、小野田秘書を任意で取り調べたが、小野田にはその時刻、九十九代議士とJR横須賀線のグリーン車に乗っていたという、アリバイがあった。連続強盗殺人事件を追っている神奈川県警捜査一課に変わって、この事件は特命係のラスカル警部が、担当することになった。



ラスカル警部「小野田秘書が怪しいミャ~!」

九十九「どうも~ハマッ子代議士の九十九里志です。」

小野田「私はその時刻には、九十九先生と一緒に横須賀線に乗っていた。」





※読みやすくする為、ラスカル警部のセリフを漢字にしています。

